この世の果ての中学校22章“クレアとボブは緑の怪物を探しに森に出かけた”
第三惑星テラに住む小さなエドの家族に、遠く離れた地球のエーヴァから至急の電子メールが届いた。メールの中身はともかく、仲間の生徒達から頼まれて、宇宙遊泳の長旅をして、第三惑星テラに電子メールを届けたのは中学2年生の匠だった。
地球は大丈夫? 宇宙 ライフ オリンピックエピソード あの世のこと・この世のことのSF小説
第三惑星テラに住む小さなエドの家族に、遠く離れた地球のエーヴァから至急の電子メールが届いた。メールの中身はともかく、仲間の生徒達から頼まれて、宇宙遊泳の長旅をして、第三惑星テラに電子メールを届けたのは中学2年生の匠だった。
スペース・イタチ一族の長(おさ)、パパ・ゴルゴンが薄ら寒い地下の穴蔵で焚き火を起こした。 パチパチと火がはぜて暖かくなってくると、焚き火のまわりに子どもたちを集めた。 「いまのうちにお前たちに伝えておかなきゃならんことがある。俺たち一族の話だ」 パパ・ゴルゴンは長ーい話を始めた。
クオックおばばとホラー一族に囚われたカレル先生を助けようと、地下の広場に飛び出した裕大、ペトロ、マリエの3人だったが・・ ペトロの発射した放射光で身体を貫かれ、おばばはため込んだ記憶をはき出していく。もがき苦しむおばばの姿を見て、ホラーとアンデッドが怒った。 壁画から抜け出したホラーが四方を囲み、空にはアンデッドが舞った。カレル先生と3人の救助隊は絶体絶命のピンチだった。
老婆が頷くと、四人のアンデッド達は担いできた大きな袋を乱暴に放り出した。 袋から、手足を縛られたやせた男が転がり出してきた。 「あっ! カレル先生だ!」隠れていたペトロが大声を上げてしまった。 老婆が耳に手を当て首を90度廻した。緑色をした二つの目玉が飛び出し、ペトロを凝視した。 その正体は人の記憶を食べて生きながらえる魔女“クオックおばば”だった。
カレル教授が実験室から失踪して1週間がたったある日、血糊の付いた教授のハットが発見されて、教室は大騒ぎになった。 帽子の裏側には“ホラーの広場”の血文字が! 三人と一匹の救助隊が地下道を教授の救助に向かった。
「ペトロ、その世界には近づかない方がいい」手品師の声が震えていた。一言で言えば神様のことだ。君たち六人を残して地球に人類がいなくなったのは神様の仕業だと教授は信じているようだ。神様は自然の調和を乱した人間を見限ったのかもしれないとね。
ペトロはカレル先生に相談したいことがあって個室を覗いた。ドアをノックして部屋に入ると、黒いコートを着た背の高い男がデスクに座っている。「やー、ペトロ、こんなところでどうした?」 真っ黒で表情のない仮面がペトロを見つめていた。それは虚構の手品師だった。
「侵入者が国会図書館にいるようです!」叫び声が入り口から聞こえてきた。ペトロとマリエはあわてて椅子から立ち上がった。脱出した二人が校庭でみつけたのは、黄泉国行きの黄色いバスだった。バスの中には二人のママが仲良く座っていた。
過去から未来にやって来た科学者八人の愛する家族は、闇の手に連れ去られて暗黒宇宙に消えた。 会議場の空間には赤茶色に焦げた地球儀がぽつんと残されていた。 虚構の手品師が映し出した映像はなにを意味しているのか? 家族の安否を確かめたくて、科学者たちは会議場の中を手品師の姿を求めて、探しまわった。 しかし、手品師の姿は黒いコートとともにどこかにかき消えていた。
ペトロとマリエは、議事堂を抜け出してとなりの電子図書館に潜り込んだ。二人は機密映像"過去からの訪問者"を発見した。 「ただいまから、カレル少年とハルちゃん出演のドキュメンタリー『過去からの訪問者』を中継いたします」 マリエのナレーションが四人のスマホに流れて、ベッドに寝っ転がっていた咲良と裕大、エーヴァと匠の四人が飛び起きた。