宇宙人は本当にいるの? 存在するという3つの説とホーキング博士の警告!

「パパ正直に答えて! 宇宙人は本当にいるの?」

日曜日の朝のことです。

小学生の匠が、リビングに飛び込んできて、新聞を読んでいたパパに突然の質問をしました。

「アメリカの海軍がパイロットに、UFO目撃したらきちんと報告するように指導したそうだよ」

匠はテレビでそんなニュースをみて、ビックリしてパパに聞いてきたのです。

パパはどう答えていいのか困りました。

・・「宇宙人がいる」という証拠はどこにもないし、「宇宙人はいないよ」というのも夢がなくてつまらないし・・。

小さな天体望遠鏡をパパから買ってもらった匠は、夜の空を観測して、いろんな夢を膨らませているようなのです。

宇宙人もその一つです。

「宇宙はとっても広いからどこかに宇宙人がいる可能性があると思うけど、UFOも宇宙人も発見はされていないというのが現実だと思うよ」

パパがそう答えると、匠の表情がすこし曇りました。

「パパお願い、一緒に調べてみようよ」

そう言って匠はパパのパソコンの前に椅子を二つ並べました。

匠はパパと一緒の調査が大好きになったようです。

「よっしゃ、エイリアンの調査開始だ!」

パパが大きな声で答えました。

パパと匠は、仲良くパソコンの前に座り込んで、宇宙人についての科学記事の調査を始めました。

存在説1 NASAの科学者コロンバーノ氏「エイリアンはもう地球に来ているかも知れない!」

newsweekjapanより。
地球外生物が人間と同じく炭素ベースでできているとは限らない

いきなりショッキングな科学記事が見つかりました。

2018年12月6日の米ニュース・ウイーク日本版が、米航空宇宙局(NASA)の科学者の発表を次のように伝えていました。

エイリアンはもう地球に来ているが、予想もしない外見であるために発見されずにいるだけかもしれない

記事によれば、発表した科学者はNASAエイムス研究センターの研究者、シルバノ・コロンバーノ氏で、「エイリアンが発見されない理由は我々の固定概念にある」といっています。

続いて「エイリアンが、地球上の生物のように炭素をベースにした生命体でない可能性がある。その時には、生命体だと認識できない姿だったり、目に見えないくらい小さな超知能体であるかもしれない」といっているのです。

パパが記事を声を上げて読むと、匠が驚いて叫びました。

「パパ、エイリアンがわんちゃんだったり、ニャンコだったり、ゴキブリだったりする映画見たけど、このエイリアンそれどころじゃないよ。小さすぎてどこにいるかもわからない相手だ」

「この宇宙人、埃みたいに風に漂ってるのかな。吸い込んだらエライことだ。そのうえ、超知能体だというから、たとえ遭遇して会話しても、パパにはとても理解できないおかしなやつだったりして・・」

パパはそういって、さらに記事を読み進めました。

コロンバーノ先生は、“宇宙人は人間のような短い寿命の制約を受けずに、広い宇宙を凄い技術で飛び回っているしれない”と発言していました。

「パパ、知能が人間を超えていて、身体が僕らよりつよくて長持ちする生き物といったらさ・・それスーパー知能を持ったアンドロイドだよ」

匠の言葉にパパは驚きました。

「匠、お前大したもんだ。この科学者も同じこと言ってるぞ。エイリアンは究極的にはロボット的になる可能性があるってさ」

パパは匠の成長ぶりがうれしくてたまらないのです。

「そのうえ超小さくて、目に見えないエイリアンときたらもう僕、お手上げだよ。・・でもパパ、この話“たとえば”の話でしょ?」

「そうだよ、“”たとえば・・エイリアンが宇宙にいたら”こんな凄いのがいるかも知れないという仮定の話だよ」

「そうだとしたら、その“たとえば”はどのくらいのたとえばなの?」

「うん? 宇宙にエイリアンがいる可能性のことだな?」

「そうだよ。その可能性ってやつだよ」

パパはうーんと唸って、考え込みました。

しばらくしてなにか思い出したみたいです。

「たしか最近買った本の中に、なんとかの方程式というのがあったぞ」

「思い出した!」

パパは凄いスピードで本棚に走って、一冊の本を取り出してきました。

存在説2 ドレイクの方程式/高度文明が存在する惑星は1から100万個?

パパが取り出してきたのは「地球外生命体と人類の未来」という本でした。

「じつはこの本買ってきて、まだ読んでないんだよ」

パパは大急ぎでページを繰りながら、声を上げて、斜め読みを始めました。

・・昔、「オズの魔法使い」の話が大好きな子供がいたんだ。

その子は1930年シカゴで生まれたフランク・ドレイクで、8才の時に科学技師の父親に「地球によく似た世界が他にもある」と言ったそうだ・・。

「ドレイク少年は匠そっくりだよ」

クスッと笑うと、パパは声を上げて本を読み進めました。

・・若者に成長したドレイクは天文学の道に進んで、オズの名前を採って“オズマ計画”というプロジェクトを推進したんだ。

電波望遠鏡を使って、他の世界に存在する知的生命の兆候を探査するという計画(SETI)だ。

その目的は地球外文明との交信だったのだよ。

そしてそのためにまず取り組むべき課題は「交信が可能な地球外文明がどれくらいあるかの計算式だ」とドレイクは思ったんだ。

ドレイクはこの方程式を1961年のグリーンバンク会議で発表したんだ。

これが有名なドレイクの方程式だ。

ドレイクの方程式

銀河系に星間通信できるような文明がどれくらいあるか、を推定する式

 N=Ns × fp × ne × fl × fi × fc × L
 

(アダム・フランク著「地球外生命体と人類の未来」)

・・ドレイクの方程式は、地球と通信できる技術を持った文明が銀河系宇宙にいくつあるのか求める式だ。

難しそうだけど、これ全部かけ算だからパパや匠にもわかるかもしれないよ・・

パパはそう言って本を伏せて、今度はパソコンからウイキペディアで「ドレイクの方程式」を開きました。

・・それじゃパパができるだけわかりやすく説明するから、聞いてくれる?

順番にそれぞれの記号の意味と、当てはまる数字を説明するよ・・。

Nは、これから求める答えだよ。

銀河系に、星間通信できるような地球外文明がいくつあるかの数だ。

Nsは、銀河系に毎年生まれてくる恒星の数。

・・恒星というのは、その周囲を回る惑星に膨大なエネルギーを放射する太陽のような星のことだ。

当時の答えは10個だった。

fpは、その恒星に惑星がある確率。

当時の答えは0.5つまり50%だ。

neは、その中、生命が存在可能な惑星の数。

・・燃えている恒星に近すぎず、遠すぎず、水が蒸発や、凍結しない温度環境にある星のことだ・・

当時の答えは2個だ。

flは、その惑星に生命が発生する確率。

・・もっとも単純な原始的生命が誕生する可能性のことだ。

当時の答え:1  つまり100%だ。

fiは、その生命が知的生物に進化する確率。

・・誕生した原始的生物がどのくらいの割合で知的生物に進化できるのかだ・・

当時の答え:0.01 つまり1%

パパは専門家者じゃないけど、ここ凄く楽観的な気がしない?・・

fcは、その知的生物が星間通信できるような文明に発展する確率。

・・ドレイク先生は先進技術を電波を発する能力と捉えていたようだよ・・つまり古代ローマは文明を持っていたけど、ここで言う技術文明には含まれないということだ・・

当時の答え:0.01つまり1%

Lは、その文明を維持継続できる時間のこと。

・・この最後の項目は、人類が持つような高度な文明はどのくらいの期間存続できるのか?という僕ら人類にとっての核心的テーマだよ。

ドレイクがこの方程式を提起した1961年のグリーンバンク会議では、この項目で激しい議論が巻き起こったんだ。

資源の浪費に関するテーマ “今で言えば地球の温暖化”のことや、“核戦争勃発の脅威”のことが議論されたようだ。

当時の答え:一万年だそうだ。

で、計算の合計をしてみよう。

(注:この数値と、計算はウイキペデイアから引用しています)

合計は10になったよ。

銀河系に知的生命体の文化が存在する惑星の数は想定10個ということだ。

「説明長かったけど、匠、これがドレイクの方程式の答えだったんだ」

「ヤッター! エイリアンのいる惑星は銀河系宇宙に10個もあるということだ」

匠が両手を天上に突き上げて大喜びしました。

「でもさ、パパ! この計算よくわかんないけど、この七つの数字って“たとえば”だらけだよ」

匠の鋭い指摘で我に返ったパパは、考え方の違う、別の記事を探しました。

小学館の日本大百科全書が、匠の疑問に答えていました。

合計のNは上記のNsのような項目の数値の取り方により大きく変わる。Nsからneまでの数値は最近だいぶ確からしい値が観測されつつあるが、flからLまでの数値は不確実性が大きく正確なNが出せていない。とくに文明を維持継続できる時間であるLはむずかしく、合計のNは1から100万まで種々の値が提案されている。

(出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ))

「匠、どうやら現在の計算ではNの数字は1から100万まであるそうだ。匠の言うとおり“たとえば”だらけみたいだ。それでも0がないからエイリアンはかならず銀河系宇宙のどこかにいるってことかな?」

「パパ、この1って数字、もしかしたら僕らの地球のことじゃないの?」

パパと匠は顔を見合わせていましたが、一緒に吹き出してしまいました。

「でもさ匠、エイリアン文明が100万もある可能性を計算した学者もいるわけだから、楽しいじゃないか? もしかしたらエイリアンはうじゃうじゃいるぞってこわ~い話だ」

そう言ってパパはパソコンに向かって座り直し、さらに新しい記事を探し始めました。

しばらくして、パパはとんでもない記事を見つけ出したのです。

存在説3 “地球は宇宙人が作る動物園?”

地球は宇宙人が作った動物園

パパが英語の記事を読んで、日本語に訳してくれました。

高度な知能を持った宇宙人がもう既に我々を発見して、人類を地球と言う巨大動物園の中で飼っている

Intelligent alien life may have already found us and enslaved humanity in a giant zoo: planet Earth。

 (2016年7月2日のWIRED NEWS(英))

ニール・ドグラース・タイソン(Neil deGrasse Tyson)というアメリカの有名な天文物理学者が、スペインで行われた「科学と芸術の祭典」でこんな発言をしていました。

宇宙人達は地球と言う動物園を作って、秘かに人類を観察して楽しんでいるというのです。

「人間自然動物園かな?」

パパが言うと匠がすかさず返しました。

「もしかしたら“猛獣につき注意”って看板立ってるかもね・・」

「それとも俺たち宇宙人のペットかも・・」

パパはさらに記事を読み進めました。

博士は次のように言っています。

・・私は人類が知性を持った宇宙人と遭遇する可能性については悲観的だ。人間の知性は宇宙人と比べて低いから、宇宙人を発見する可能性が大変低い。

そして、できれば宇宙人の存在などなにも知らずに“動物園で過ごす方が“人類は幸せかもしれない・・と。

「匠、これどう思う」

「パパ、それ無理だよ。僕たち、怖くても、知りたいことはどうしても知りたいんだよ!」

匠の好奇心はもう抑えられそうにありません。

「匠、ちょっと待った! このタイソン博士の発言、あの高名なホーキング博士が言った警告に答えたものだって書いてあるよ。ホーキング博士の警告って、いったい何なのか調べてみよう」

 “ホーキング博士の警告”

ホーキング博士の警告

調べていくと、その前の年、2015年にホーキング博士が“警告”を発しています。

警告の内容を紹介したのはスペイン紙「エル・パイス」でした。

「地球外生命体がわれわれ人類を絶滅させる可能性があるため、エイリアンとは関わりを持たない方がよい。エイリアンが地球に来た場合、コロンブスの米大陸上陸時のように、先住民族のことをよく知らないために起きた結果・・“大虐殺”になる」

このショッキングな発言は、いろんなメディアで世界に報道されて、広がったのです。

パパが調べを進めると、ホーキング博士はそれまでにもテレビ番組で自分の宇宙観を述べていました。

「地球以外に生命が存在する可能性はかなり高く、自分の惑星の資源を使い果たした後、資源や居住場所を求めて宇宙を彷徨っている恐れがある」

・・だから、宇宙人と接触しようとすることは危険なことだ・・

ホーキング博士の警告の趣旨をパパは匠に説明しました。

匠は腕組みをして聞いていましたが、しばらく考えていいました。

「僕のエイリアン探査も慎重にやれってことだね」

匠が偉そうにぼそっと言ったので、パパは吹き出してしまいました。

匠はもうエイリアンの調査に命がけなのです。

パパは最後にもう一度NASAのニュースを調べてみました。

「おっと、地球外生命の探査計画(SETI)についてNASAの最新のニュースが出てきたよ」

2019年2月11日、NASAの最新の発表記事が出てきました。

NASAが生命探知科学センターを新設

NASAは生命探知科学センター(Center for Life Detection Sciense, CLDS)という組織を新設していました。

CLDSの目的は「生命の起源と地球外生命体の可能性を探ること」とされています。

主任研究員トリ・ホラーさんはCLDSの使命について次のように語っています。

「これまでと違う最善の策は、地球とは全く違う世界の独特の状況においても生命を検出できる新しいツールや戦略を開発することだ」

そのための知恵を結集しようと・・CLDSはシリコンバレーにあるNASAエイムズ研究センターの中に本部を置いて、宇宙生物学、天体物理学、物理化学などの専門家を全米から集めています。

すでに、ジョージタウン大学やジョージア工科大学を始め、多くの研究者がCLDSの研究チームを立ち上げています。

「匠、NASAはどうやら本気でエイリアン探索に乗り出したようだぞ」

「やった!NASAが本気なら僕も頑張らなくっちゃ!」

大きく叫んで、匠がもう一度両手を天井に向かって突き上げました。

エピローグ

その夜のことです。

夕食を済ませたパパと匠はテラスに出て夜空を眺めました。

匠がいつもの小さな天体望遠鏡を持ち出してきて、惑星の探索を始めました。

「エイリアンはどこかな、僕たち人類はこの広い宇宙に一人ぼっちなのかな?」

匠が囁いて、パパが答えました。

「パパはどうしてもドレイクの方程式の最後の項目“L”が気になるんだ。

“高度な文明はどのくらいの期間存続するのか?”のところだよ。

このまま地球温暖化が続いたら地球内生命体の寿命もそれほど長くはないのかも知れないって、アダム・フランク先生は言ってるよ。

そのためにもエイリアンの研究は必要だってね」

「将来、どこかの宇宙人が地球をみつけてさ、“知的生命体の遺跡発見”なんてことないように、パパと二人でがんばらなくっちゃね」

匠がマジで答えて、二人は大笑いしました。

 (おわり)

匠とパパの「宇宙シリーズ」はここからどうぞお読みくださいね。

「パパ大変! 宇宙は膨張を早めてるんだって! 僕らの宇宙をどんどん膨れさせてる犯人は一体何者なの? 」  小学生の匠が、パパに突然質問をしました。匠は最近宇宙の出来事に夢中です。 ブラックホールの映像が発表されてから、匠から宇宙の質問が飛んできて、パパも大変です。 今日は“宇宙の膨張”です。

「パパ、ブラックホールは本当にあるの? ホワイトホールって何者か教えて」 小学三年生の長男・匠が、パパにいきなり質問をしました。 「ブラックホールは写真も公開されていて本当にあるよ。どんな物質も食べてしまう宇宙の穴だというけど、ホワイトホールはパパも始めて聞いたよ」

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下條 俊隆

下條 俊隆

ペンネーム:筒井俊隆  作品:「消去」(SFマガジン)「相撲喪失」(宝石)他  大阪府出身・兵庫県芦屋市在住  大阪大学工学部入学・法学部卒業  職歴:(株)電通 上席常務執行役員・コンテンツ事業本部長  大阪国際会議場参与 学校法人顧問  プロフィール:学生時代に、筒井俊隆姓でSF小説を書いて小遣いを稼いでいました。 そのあと広告代理店・電通に勤めました。芦屋で阪神大震災に遭い、復興イベント「第一回神戸ルミナリエ」をみんなで立ち上げました。一人のおばあちゃんの「生きててよかった」の一声で、みんなと一緒に抱き合いました。 仕事はワールドサッカーからオリンピック、万博などのコンテンツビジネス。「千と千尋」など映画投資からITベンチャー投資。さいごに人事。まるでカオスな40年間でした。   人生の〆で、終活ブログをスタートしました。雑学とクレージーSF。チェックインしてみてくださいね。

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