緊急報告!オーストラリアが燃えている!原因は地球温暖化と政策の誤りとの指摘も!

2019年7月に始まったオーストラリアの森林火災は全土の沿岸地域に拡がり、2020年に入っても沈静化の兆しがみえず、各地で被害が拡大しています。

AP通信によれば、ニューサウスウエールズを始め被害の多い東部の三州だけでも380棟以上の民家が焼け落ち、死者は全国で23人、焼失面積は東京都の20倍にあたる5万2千平方キロメートルと、2019年1年間のアマゾンの火災規模を越えています。

オーストラリアの森林火災
(米・テレビメデイア)

被害に遭い住居からの避難を余儀なくされた住民からは、消防や救助活動の対応の遅れを非難する声が上がり、火災に逃げ惑うコアラの姿が世界に衝撃を与えています。

森林火災の原因は地球の温暖化と政府の政策の誤りだという指摘も・・。

広域・国境を越える自然災害

つぎのマップの黄色い炎は豪州で火災が起こっている地域を示しています。(米テレビメデイア)

豪州全土にわたって沿岸部で森林火災が拡がっている様子がみてとれます。

オーストラリアの森林火災地域 ( 米・メデイア発NHK/BS)

北東部の観光地、ポートダグラスから珊瑚礁のケアンズ、ブリスベーン、オリンピックの行われたニューサウスウエールズ州のシドニーといった日本人観光客に人気の地域や都市でも森林火災が町のすぐ側にまで迫っている様子です。

シドニーのオペラハウスの空は濃い煙霧に覆われています。

南東部の沿岸地域では、1月2日数万人の観光客に対して避難勧告が出されました。(AP通信)

またこれらの都市部では煙害のためにマスクをして外出する市民の姿がテレビに写されています。

火災による大気の汚染は海を越えて拡がりつつあります。

豪南部からの煙がニュージーランドまで流れている(スペインメデイアより)

写真は豪州の上空から撮影された衛星写真です。

オーストラリアの南東部から上空に上がった茶色い煙が、タスマン海を南東に流れてニュージーランドの上空にまで達しています。

ニュージーランドのツイッター投稿は・・

「ここクライストチャーチでも焦げ臭い」

「純白のはずのフランツジョセフ氷河が茶色になりました」

「太陽が金色です」

当局は、市民からの緊急通報が殺到したので「オーストラリアの森林火災の影響ですので緊急通報をしないように」とツイートしています。

自然災害には国境はないのですね。

消防隊の活躍と逃げ場を失うコアラ

今回の火災は森林だけでなく、今まで拡がったことのない農地や牧場にも及んでいます。

手入れの行き届いた農地や牧場は火のまわりが遅く、火災にはなりにくいのです。

ところが今回の火災では、小さな田舎町で住まいにまで火が燃え移って危険な状態になり、全住民が避難をしているところもあります。

オーストラリアでは2019年は干ばつ(不作)の年で、植物や牧草がからからに乾いたところに強い風と高温が続いたことが、森林や農地や牧場にいたるまでの大火災につながったとされています。

オーストラリアと米国のカリフォルニアは大規模森林火災が頻発する二大地域ですが、南半球と北半球で火災のシーズンが異なるために、お互いに消防隊が交換プログラムを組んで消火活動を助け合ってきました。

ところが、今回は気候が変動して両地域の火災の時期が長くなって重なってしまったために、消防士と消防機材の交換プログラムがうまく機能しなくなったということです。(WIREDより)

「オーストラリアは上空からの消火能力が十分ではありません」という豪州気象協議会の責任者の発言があります。

航空機による消火活動の協力をアメリカを始め、他国に求めています。

1月と2月は、オーストラリアでは森林火災の本格的シーズンです。

これから夏(2月が盛夏)を迎えるオーストラリアは、国の総力を挙げて自然災害の危機に立ち向かうことになります。

必死で作業する消防隊
(NHK BSより)

オーストラリアの消防隊は多くの市民がボランテイアとして参加してできあがっています。

この森林火災で、ボランティアの消防士がひとり作業中に亡くなったという訃報があります。

また、森林火災は各地でコアラを始めカンガルーやワラビーや森林に生息する豪州固有の動物を襲いました。

火災から逃げるコアラ
(NHKBS)

写真は燃える森林から逃げ出して、舗装道路を走るコアラの姿を捕らえています。

コアラは普段は樹上で生活していますが、危険が迫れば時速20キロまでは短距離走が可能です。

火に取り囲まれたコアラ
(NHK BS)

ニューサウスウエールズ州の森林はコアラの生息地として有名で、1万5千頭から2万8千頭のコアラが生息しているとされていました。

今回の火災で「コアラの30%が命を失った可能性がある」と連邦政府のスーザン・レイ環境大臣が発表したことを受け、市民の間ではコアラの生存環境の消滅や悪化、ストレスによる絶滅まで懸念されています。

コアラに酸素呼吸 (米・テレビメデイア)

ポートマッコリー地区にあるコアラ病院には傷ついたコアラが次々と運び込まれてきます。

コアラ病院C・フラナガン獣医 (NHK・BS)

コアラ病院はコアラの治療と保護を専門とする世界初の病院です。

病院のC・フラナガン獣医はコアラを手当てしながら「これは自然が怒っているのです」と発言しています。(NHK/BSより)

自然が怒っている

シドニー大学の生態学者は、この大火災でこれまでに約4億8千万頭もの哺乳類、鳥類、は虫類が死んだと推定できると報告しています。

・・ケアンズの山側、自然遺産の熱帯雨林は大丈夫でしょうか?

自然観察ツアーで人気の“もふもふのもこもこ”のコアラや小型のカンガルーのワラビー君や人の食料(タンパク源)になるおしりの赤いアリ(食べると舌を刺されます)は元気でしょうか?

ワラビーに水を飲ませる救助隊 (NHK・BS)

大自然の宝庫、タスマニア島には火災は飛び火していないのでしょうか?

おしりの可愛いウオンバットや怖そうな顔のタスマニアンデビルや頭とおしりがおんなじ形の奇妙な動物?(なんという名前でしたっけ?)

みんな元気にしているでしょうか?

・・アマゾンやカリフォルニア、オーストラリアでここ数年間毎年のようにおこる大規模な森林火災は地球温暖化が主な原因だと科学者達がいっています。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は「地球温暖化の原因」が、人間の産業活動に伴って化石燃料などから排出された温室効果ガスである確率は「90%を超える」といっています。

地球温暖化の主犯は人間です。

獣医のフラナガンさんの発言「自然が怒っている」は、「自然が人間に怒っている」と聞こえてきました。

オーストラリアは自然に恵まれています。

石炭、石油、天然ガス、ウラン等の天然資源に大変恵まれていて、 安価な国産エネルギーが簡単に手に入るのです。

そのため、オーストラリアではエネルギー多消費型産業が発達して、エネルギーの大半を石炭を中心とした化石燃料による発電に大きく依存しています。

昨年の夏(2019年1~2月)の森林火災のときも、温暖化による異常気象への影響を重く見たOECD(経済協力開発機構)が豪州の政府に対して、政策の変更と積極的な環境対策を求めていました。

しかし今回はさらに大規模な森林火災が発生し、収まる気配がありません。

豪州やカナダや米国でも地球温暖化への対策は、現実の産業構造との利害や、複雑な政治の思惑が絡むとなかなか一筋縄では進まないのです。

・・日本も原発の事故以来、化石燃料主体のエネルギー政策から離れられない点では、豪州と同じです。

2019年12月、スペイン・マドリードで開かれたCOP25で各国が温室効果ガスの削減目標を宣言する中、我が国の所轄大臣の釈明に近い発言はテレビで見ていて恥ずかしくなりました。

釈明する日本の担当大臣
NHKBS

不名誉な表彰を受ける日本政府高官 NHKBS

日本でも温暖化の影響で台風による水害が拡大しています。

台風はコースを変え、大型化しています。

オーストラリアの森林火災はよそ事ではありません。

脱・化石燃料は緊急の課題です。

「自然は私達人間に本気で怒っている!」のです。

(おわり)

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下條 俊隆

下條 俊隆

ペンネーム:筒井俊隆  作品:「消去」(SFマガジン)「相撲喪失」(宝石)他  大阪府出身・兵庫県芦屋市在住  大阪大学工学部入学・法学部卒業  職歴:(株)電通 上席常務執行役員・コンテンツ事業本部長  大阪国際会議場参与 学校法人顧問  プロフィール:学生時代に、筒井俊隆姓でSF小説を書いて小遣いを稼いでいました。 そのあと広告代理店・電通に勤めました。芦屋で阪神大震災に遭い、復興イベント「第一回神戸ルミナリエ」をみんなで立ち上げました。一人のおばあちゃんの「生きててよかった」の一声で、みんなと一緒に抱き合いました。 仕事はワールドサッカーからオリンピック、万博などのコンテンツビジネス。「千と千尋」など映画投資からITベンチャー投資。さいごに人事。まるでカオスな40年間でした。   人生の〆で、終活ブログをスタートしました。雑学とクレージーSF。チェックインしてみてくださいね。

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